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2020年コロナ禍というこの時代に、当時を回顧しつつ、新型コロナが収束し徳永英明さんのコンサートツアーをはじめ音楽を当たり前に楽しめる日々が戻って来ることを祈念して。

じゃすてぃ@管理人

2022/05/14 18:00

徳永英明さんの『鼓動』のメロディーラインの考察・分析(後編)



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随分とブログ更新の間隔が空いてしまいました。

今日はたまたま時間が空いて、

久しぶりに(仕事以外で)パソコンに向かっています。 




『鼓動』についてのザレゴトを綴りたい気持ちは

あふれるくらいにあるのですが

あまりに更新が遅くなってもあれですので

とりあえず今回でささっと完結させようと思います。




前回、前々回から続く『鼓動』についての考察です。

【前編】



【中編】





書き残していることとして、

あと二つのテーマがありますので

それぞれ簡単にご紹介させてください。



1.徳永さんならではの【譜割り】について

2.歌詞とのリンク



その前に、前回の記事でもお伝えしたかもしれませんが

私自身は音楽が分かるわけでもできるわけでもないので

素人が飲み屋でうんちくをたれてる程度のコラムだと認識してください。



それでも良いという方はお付き合いください。


まず、

1.徳永さんならではの【譜割り】について

です。




この点については、

当初『鼓動』について書こうと思い立った時には

触れる予定ではなかったのですが、

『鼓動』について改めて向き合ってみたときに

やはりどうしても触れたくなってしまった部分です。



譜割り(フワリ)って言葉、意味わかりますか?



私自身、今でもあまりよくわかっていません。




ただ、覚えているのは、

徳永さんがカバーシリーズを発表したころ

「カバーする名曲の数々を、自分の曲としてではなく

 奉納するような気持で歌っている」とかいうコメントがあり、

その際、「フワリが難しい」とおっしゃっていました。

フワリってなに!?とその時が初耳でした。




この『鼓動』という曲のメロディーラインは、

徳永さんならではのフワリだと私は思っています。

そして、長年の徳永ファンの人たちは

徳永さんならではのフワリにどっぷりとつかっているので

このフワリがなぜ徳永さんの特徴的なフワリなのか

あまり気づくことがなく

ただただ当たり前に聴いていらっしゃるのではないでしょうか。




話は、相も変わらず少し脱線したところからスタートしますが、

徳永さんならではのフワリって何?という話から書かせてください。




結論から言うと、

徳永さんのフワリは、本来(?)より早いんです。



・・・早いというのはどういう意味か。

これは言葉で説明するのが難しく、

まずは楽譜を使ってご説明申し上げます。



『鼓動』の歌いだしの部分です。

WS000004


まず、青い四角で囲んだ部分をご覧ください。

この青で囲んだ箇所は、一般的なフワリといえる場所です。



注目してほしいのは

♪いきる ちか  

の「ら」の部分なんですが、

ドレミの音階でいうと「シ」ですので

「G#m」と書かれた小節の構成音なんです。



ですので、メロディーのフワリが

伴奏の音(コード)と、ぴったり一致しているというのでしょうか。

伴奏の音(コード)と歌の音階が同時に進行しているというのでしょうか。




うまく説明できないので

続いて赤で囲んだ部分をご覧ください。


先ほどの画像をもう一度ご覧ください。

WS000004


これです。
この赤い部分が徳永さんならではのフワリです。



注目してほしいのは

♪とするきもちは~

の「は~」の部分です。



この「は~」はドレミ音階でいうと「レ#」ですので

伴奏の構成音でいうと、本来は「Badd9」という小節内にあるべき音です。

にもかかわらず、半拍はやく、

「F#」という小節の最後に入ってきている。



つまり、これがさきほど結論として申し上げた、

「徳永さんのフワリは、本来(?)より早い」という意味合いなんです。



伴奏より、ボーカルが早い・・・

例が適切かわかりませんが、

カラオケでガイドボーカルよりも、歌い急いでいるような状態。

それが徳永さんならではのフワリ。





酔っぱらいのザレゴトなんで、大きく話が飛びます。



1991年のRevolution Tourで徳永さんが

『百万本のバラ』を歌った映像をご存じでしょうか。

あの歌いまわしこそが、徳永さんならではのフワリを

一番分かりやすくご理解いただけると思うんです。



私自身はあの映像で初めて『百万本のバラ』を知りました。

(加藤登紀子さんが歌っているのも知りませんでした。)



高校生の頃、カラオケに行って、

加藤登紀子さんの『百万本のバラ』を歌ってみようと

当時のレーザーカラオケで選曲してみたものの、

徳永さんバージョン(Revolutionバージョン)と全然違って

なんとも歌いづらかった記憶があります。



同じ『百万本のバラ』でもフワリが全然違っているんですよね。


歌いだしの

♪ちいさな いえと キャンバ

♪ほかには なにもな

の部分だけに注目しても、大きすぎる違いがあります。

徳永さんのフワリは、加藤さんに比べて、赤字の個所が早いですよね。




印象としては、徳永さんが歌うと切なさがより強調され、

歌の主人公である貧しい絵描きに感情移入する歌として聞こえます。

一方の加藤登紀子さんが歌うのを聞くと、

貧しい絵描きさんのエピソードを歌いつなぐ

語り部の歌(?)みたいに聞こえ、

それぞれ違った魅力になるのが興味深いです。





歌が早くて、伴奏が追いかける・・・という点で

思い当たるエピソードが二つありますので、

脱線ついでにおつきあいください。




徳永さんのインスタってご覧になっていますか?

大きな声では言えないのですが

私自身は普段インスタを使っておらず、

徳永さんの弾き語りはまとめて見たりする程度です。



その、インスタでのギターの弾き語りって、

かなり変わっていると思っていたんです。



徳永さんが歌って、そのあとにポロンポロンとギターを鳴らす、みたいな。

歌が先行して、伴奏が追いかける・・・。

歌っている徳永さんご自身は心地が良いんだろうと思うのですが

なんとも個性的な弾き語りではないかと。



・・・このフワリの話と関係あるのかないのかわかりません。





それともう一つ。

もう10年位前に、某S君が

「remind tourの『レイニーブルー』でのごっつぁんの後追いピアノが最高!」

「徳永さんが歌って、その後を後藤さんのピアノが追いかけてくるんです」

と言っていたのを思い出しました。



最近、remindのDVDも見直していないので、

久しぶりにチェックしてみようと思いつつ。



これもフワリの話に関係があるのか定かではありませんが、

話を戻すと、伴奏よりも、歌が先行するという現象についてです。



『鼓動』に戻ります。


WS000005



赤い四角で囲んでいる個所も

徳永さんならではのフワリです。

♪つよさ うつそう

の「そう」はドレミ音階でいうと「ド#」で、

本来であれば「F#sus4」と記載された小節の構成音なんですが

半拍早く歌われることで、ひとつ前の小節に入っているんです。





この、ひとつ前の入ってしまうことによるひとつの効果として

徳永さんの作る曲の特長といいますか、魅力のひとつとして

「音の隙間」というのがあると思っています。



徳永さんの曲は、音(メロディーの構成音)が多すぎない、

というよりむしろ少いことにより

歌詞として乗る言葉や音の数は少ない分

ボーカルとボーカルの隙間がもともと多いです。



そのうえ、このフワリの特長により、

半拍早く歌われ、前のめりになった結果、

よりその後ろの隙間が強調されることになっていると思います。



この隙間ないし無音部分(ボーカルがない部分)が

歌の説得力や切なさなどをより強調することになり、

徳永さんならではのメロディーラインの魅力となっていると思うんです。







さらに『鼓動』を続けます。

サビの部分です。

WS000006



なんと赤い印をつけている四カ所すべてで

徳永さんならではのフワリとなっています。



客観的には特長的ではありますが、

長年の徳永ファンはこのフワリに慣れ親しんでおり

これが当たり前で、これこそが心地よいと感じられる仕掛けなのです。






そして、さらにもう一カ所。

前回の更新(中編)でサビのコード進行について書きました。




その中で、一番大きな仕掛けとして

作曲家・徳永英明が、いつもより一小節早く

サビの10小節目という個所でイレギュラーなコードをぶっこんできた

というような話を書きました。




実は、この後編のフワリの話でも

その10小節目が徳永さんならではのフワリになっているんです。

WS000006 - コピー




♪ひとつ ひーとつーが

という部分の「ひー」ですが

本来であれば、「D#7」という小節の構成音なのに

半拍早い9小節目に入ってきているんです。



伴奏より、歌が早い・・・!!!というやつです。



ぶっこんできた10小節目自体も

徳永さんならではの歌いまわしのフワリになっているんです。



こんなにたくさんの徳永らしさと、

逆に裏をかく部分とが交錯しているのが『鼓動』。

もはや徳永ファンにとっては気持ちよすぎ以外の何物でもないわけです。





ちなみに・・・とまた一つ話がそれますが。



この徳永さんならではのフワリが特徴的な曲として

『青い契り』があげられると思います。



なかでも、サビの部分の冒頭です。

♪だきあった まぼくらはちがうあしたを 



本来は、赤字の「ま」は、サビの一拍目の音のはずなんですが、

その前の小節で歌われているんですよね。


歌が伴奏より先行するという特徴的なフワリが

サビに突入するという重大な場所で使われています。




なんとも徳永さんらしい特徴的な部分だと思います。

(今までの説明でご理解いただけた方にはご理解いただけたかと。)



・・・譜割りについては以上です。






もう一点の、歌詞とのリンクについてです。

これはもう、私の勝手な感じ方なんです。



徳永さんご自身は、歌詞を書く際に、

とりたてて意識されて書かれたわけではないと思うのですが、

完成した『鼓動』をこうして聴いていると

歌詞とメロディーの不思議なリンクというのでしょうか、

切っても切れない絶妙な心地よさを感じてしまっています。



どういうことかといいますと

内容としては、前回の中編の内容に関連するのですが、

『鼓動』の最大の仕掛けはイレギュラーな10小節目だと思うんです。




徳永英明王道系から、大きく逸れるコード進行。




この「逸れる」という感覚。

そして、その逸れたところから、

徐々に定番のコードに戻ってくる心地よさ。



これが、歌詞の

「いろんなみちにそれたって くやまないようにいきる」と

あくまで私の中でですが

なんともいえないマッチングをしてしまうんです。


逸れたっていいんだよということを

メロディーラインそのものが教えてくれているような印象を受けるんです。





以上が、歌詞とのリンク、についてでした。



長々と読んで頂きありがとうございます。

伝えたいことはあるのですが

文字だけで表現するというのは本当に難しいなと改めて思いました。




コロナが落ち着いたころに、

また飲みながら話したいような内容ですね。



とはいえ、久しぶりに徳永さんについて書いただけでも

不思議と、自分の中ですっきりした部分もあります。






次回の更新からは、テーマを変えまして

私の中で最近(ここ数年)

疑問に思っていることについて紹介させてください。

他のファンの方はどう解釈しているのかな~、と。


それでは。






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